たかひで鍼灸接骨院
SABABU3
「体質による病気」VOL22
体質的な病気です・・
Q:体質からくる病気ってありますよね?改善法はありますか?(40代女性)
A:「ある季節」「疲れが溜まっちゃって」「風邪の後」などに必ず来院する方がいらっしゃいます。しかも症状はいつも同じ、いつもの様に治療すると1〜2回でよくなる。そんな方が「私は、体質なのかしら?」といいました。現在そこにある病気は、先天的、遺伝的素因。食生活や過去の病気、怪我など後天的因子が絡み合って形成されています。しかも先天的な体質は、その人だけのものでなく父母、祖父母、ご先祖様へとつながっていてその制約を受けない個体はありませんので、この範囲内で起こるものが相当あります。
したがって治療は、体質的なものにアプローチするより体の緊張を解し、副交感神経を活性化し自然治癒力を鼓舞。さらに生活を整え、運命を受け入れ最善を尽くしす生き方をする。そんな治療が理想でしょう。
「冷え症」VOL23
冷え性です・・
Q:手、足が年中冷えています。何とかなりませんか?(30代女性)
A:圧倒的に女性に多いですが男性の患者も増えてきています。「お風呂から出ると冷えちゃう」「手足を水の中に入れているよう」「風が吹き込むみたい」などの訴えです。随伴症状として頭痛、肩こり、めまい、不眠、腰痛などがありますが、原因はよく分かっていません。低体温症や貧血、低血圧、便秘症、消化器や婦人科疾患などがあり遺伝や食生活、性格や職業、ストレスも関わりがあります。
治療は体力の強化のため全身の調整、腰下肢の下腹部の経穴を使い下半身の血流改善。頭の血流と足の血流は関係が深いので、首から上の状態(目、耳、鼻、喉)を見て行います。特にお灸が効きますので「熱い」のは仕方がありません。修行と思い続けてください。
「便秘」VOL24
便秘症です・・
Q:便秘で悩んでいます。薬を使用したくありません。鍼灸はどうですか?(30代女性)
A:便秘は圧倒的に女性に多いです。統計を取れば3人に2人は便秘症ではないでしょうか。排便の回数が減ったり、排便時に時間がかかる、出そうで出ない、膨満感や不快感を伴います。1週間便通がなくても苦痛を伴わずすっきりすれば便秘とは言えないでしょう。常習的に便秘を訴える患者は、下腹部に力がなく腹圧低下があり、腹部の手術や体型、職業、加齢などに関係があるようです。また、随伴症状として頭痛やめまい、不眠、疲れやすい、火照りや冷えなどの自律神経症状が見られます。
治療は、食事や適度な運動、生活習慣の改善はもちろんですが、催したら我慢せず行ける環境が大事です。鍼灸は、東洋医学的な診断治療はもちろんですが、仙椎部や陰部神経の経路、左下腹部の経穴を使います。日々の臨床で、腰痛や五十肩が治ったら長年の便秘が改善された、痔が良くなった等の報告がありました。
「小児鍼」VOL27
小さい子に鍼はいいの・・
Q:「小児はり」について効果や危険はないかなど教えてください。(30代主婦)
A:「虫はり」とも言いますが、230年前から関西(特に大阪)で非常に盛んに行われていました。しかもその効果は素晴らしいもので「かん虫」「胃腸障害」「夜泣き」など一回5分程の治療を3日続けると大概良くなってしまいます。ただ関東ではあまり知られていませんし、栃木県では知っている方はほとんどいません。「小児はり」は大人のように鍼を刺入することはありません。特殊な鍼(いろいろな形があります)を使い皮膚の上を擦る様に接触させて使います。とっても気持ちがいいので赤ちゃんはニコニコです。生後20日から4〜5歳ぐらいを対象にしていますが、大人でも過敏症の方などに使えます。
まずはお母さんに協力、理解していただき、しっかり抱いてもらい頭から足先まで摩擦するように行います。慣れてくれば一人でベットの上で出来るようになります。もう一つ「かん虫」は非常に興奮しやすくなっている状態です。糖分の取り過ぎ、たんぱく質の食べ過ぎ、人ごみを長く連れ歩いたり、お母さんが不安定だと強く現れます。
「痔疾患」VOL28
痔になってしまいました・・
Q:痔の治療について教えてください。(40代男性)
A:実は私も「痔持ち」で、思い当たる原因もなく、痛みはないのですが出血が続くと憂鬱になりますね。ある時出血がひどく肛門科で診てもらうことになったのですが、体の大きな先生で、あまりの指の太さにかなりビビった経験があります。一般に「痔」で来院する患者は少ないのですが、問診中に話が出ます。男女差や年齢は関係ないようです。妊娠や便秘症、下痢症、肝臓疾患に多いようですが、遺伝がかなりあるようです。
治療は腰や下半身の冷えを取り血流を改善し、鬱血を取り除きます。肝門脈の末端は痔静脈に連携しているので、陰部神経経路や仙骨部も治療穴になります。また、冷えを取るためお灸を多用します。生活習慣を見直し、食生活や飲酒、ストレスなどの要因を取り除く努力も必要でしょう。私個人の意見として、血はきれいに出しきってしまい、くよくよせずあまり気にしない方がいいようです。
「肩こり」VOL29
肩こりについて・・
Q:母が肩こりで悩んでいます。私は肩こりがわかりません。どうしたらいいでしょうか?(20代女性)
A:肩こりは日常の診療で頻繁に出会う症状で、単に肩こりといっても首から肩、後頭部、肩甲骨内縁の痛みや不快感。随伴症状として頭痛やめまい、ふらつき、不眠、しびれ、動悸など多用多彩です。現代医学では症状を訴えても有効な治療法がないようですので鍼灸の出番です。脳は意外とアバウトで疼痛部位が分からないときがあるようですので、ここですと脳に知らせるため患部を直接刺鍼する方法。頸椎や首の周辺にある感覚受容器に刺激を入れる方法。全身の筋の緊張を取るための軽い刺激を加える方法。逆に交感神経を鼓舞するため座位にてお灸をすえる方法などその人により治療は変えます。また、日常生活の中での姿勢や癖、度数があっていない眼鏡、運動、睡眠、職業、性格などもちろん大切です。治療後の感想は、温泉に入った後のようにすっきり、目がはっきりする、肩の重い荷物がとれたみたいなど最高です。
「鼠径部痛」VOL30
鼠径部が痛い・・
Q:腰が痛かったのですが、鼠径部も痛くなってきました。鍼灸は効きますか?(60代女性)
A:日々の臨床で高齢の婦人で、下腹部から股関節の付け根、陰部まで痛む患者をたまに診ます。痛みは激しくキヤッとし前かがみでしか歩けません。発症の要因として畑仕事や草刈り、重量物の移動などで更年期以降の婦人で肥満傾向の方に多いようです。これらの症状は、腹壁弛緩によりおこり、立ち仕事や過度の腹壁活動後に腰神経上部が障害される「腸骨鼠径神経痛」です。随伴症状として腰痛や坐骨神経痛、膝関節痛があります。
治療は腰椎根に向けて刺鍼します。また、腸骨筋や大腰筋を目標にしますが、たいてい1〜2回で効果が表れるようですのでお勧めです。
「更年期膝関節証」VOL32
更年期膝関節症について・・
Q:ひざが痛みます。歩くのにもつらいですが変形は無いそうです。(50代女性)
A:これは、高齢者に多い変形膝関節症ではなく、更年期婦人に多い膝関節症です。膝の腫れ、痛み、屈伸時や階段昇降時に痛みを訴えますが、レントゲン所見ではあまり変化が認められない。異常があっても症状と一致しない。再発しやすく自律神経失調など併発しているなどの症候です。これは、骨のたんぱく質やカルシウムを支えるホルモンの減少や肥満の婦人に多いことから、腹壁の弛緩で下肢の血行障害を起こしていることが考えられます。
治療は腰椎の近傍の緊張部の緩和、腹斜筋の緊張を取り下肢全体の血行を改善し、さらに頸筋の緊張を取っていきます。腫れや熱がある膝は決して触ってはいけません。