たかひで鍼灸接骨院


SABABU・・栃木県北部を中心としたタウン情報誌です。
健康相談室担当時の記事を抜粋して掲載しています。


「眼の疲れ」VOL3

「腰椎ヘルニア」VOL4

「腱鞘炎」VOL5

「生理不順」VOL6

「高血圧」VOL7

「慢性頭痛」VOL8

「鍼灸って」VOL9

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「眼の疲れ」VOL3
目の疲れが気になるので何か解消法は・・

Q:職業柄、目の疲れが気になります。どうしたらいいでしょうか?(28歳男性)

A:目は精密な器官ですから、何かおかしいと思ったら眼科医の診察を受けるべきです。ただ目の疲れとなりますと、原因の多くは乱視や老眼、合わないメガネの使用。長時間のディスクワーク、姿勢や疲労、照明などでしょう。
漢方の古書に「目は臓腑之精なり」とあります。つまり漢方では、五臓六腑の生気は、すべて目に注がれ目と臓腑は互いに関係しあっています。たとえば糖尿病や高血圧など全身性の疾患が網膜に異常を引き起こす場合もあるので、全身の調整も目の為に必要です。
坐骨神経痛の随伴症状として視覚障害を訴える患者が度々あります。特に女性に多いので骨盤内の血流と眼は関係が深いようです。血流を良くし、さらに内分泌系を活性化する治療が必要です。
日々の臨床で特に感じることは、眼精疲労を訴える患者の性格は責任感が強く気を使い疲れている。凝り性で根を詰めて物事に取り組む。身体面では、下痢や便秘、肥満、疲れやすい。.手足がこわばる、筋肉が固い、後頭部が重い、胆石症、肩がこる、目の周辺がぴくぴくする、色が悪いなどです。


「腰椎ヘルニア」VOL4
腰椎ヘルニアは鍼灸で治りますか・・

Q:腰椎椎間板ヘルニアで悩んでいます。鍼灸で回復することは可能でしょうか?(20代会社員)

A:腰椎椎間板ヘルニアは椎間板の中にある髄核が周囲の繊維輪を膨らませたり、繊維輪の裂け目から外に飛び出し神経根を圧迫しては発症します。ただ今は医療機関で診断を受けても手術に至ることはまれで保存療法が中心です。鍼灸治療は神経近傍に鍼をしたり、痛みに関係のある筋肉緊張を除く目的で刺鍼をしますが、やはり東洋医学的観点ににたち、全身的な治療、防御機能を活性化し阻害因子を断ち切る治療が必要です。
日々の臨床では、痩せ型のご婦人で脊椎変性症、椎間板ヘルニアの診断をされてなかなか治らない人は、貧血症や虚弱体質、精神的、身体的疲労が強いようです。副腎皮質ホルモンや女性ホルモン、エストロゲンの欠乏により血管収縮をきたし骨盤内の虚血もしくはうっ血により、筋肉の収縮、硬化、栄養障害、血行障害のため坐骨神経痛を起こしているようです。仙骨部、腰臀部への刺鍼がよく効きます。男性の場合、腰の深部にある大腰筋の緊張や臀部の小殿筋の緊張が原因で症状がある方が多いようですので、そこをピンポイントで狙います。


「腱鞘炎」VOL5
腱鞘炎を治すには・・

Q:腱鞘炎で悩んでいます。鍼灸ではどのように治療していますか?(40代女性)

A:腱鞘炎は女性に多く、特に更年期や妊娠中に拇指や手首に起こり強く力を入れるより、軽く力を入れる方が痛みます。安静、湿布、鎮痛薬、固定、最後に手術が主な治療ですが、当院では筋肉・経絡の異常とみて治療します。拇指を動かす筋肉もしくは拇指を通る経絡、この場合太陰肺経という呼吸に関係の深い経絡に異常が出ますので、筋肉の深さ、経路を考えて刺鍼します。特に拇指を動かす筋肉を狙います。また肺機能を高め血中酸素濃度を上げるように調整します。最後に肘関節、橈側手根伸筋群の結合組織の硬化を除去する処置を加え、必要に応じてテーピングも使います。特殊な方法として熱や腫れがある場合、井穴刺絡が良く効きます。


「生理不順」VOL6
生理不順で悩んでいます・・

Q:生理不順で悩んでいます。鍼灸で何とかなりますか?(20代女性)

A:当院は女性の患者を診察するにあたり、月経の状態を確認しています。婦人科において、月経が体調の変化を表現していると考えています。無月経や激しい生理痛など専門医の診察が必要ですが、治療を受けているにも関わらづず好転しないもの、婦人科の診察を受けるほどではないようなものが対象です。まず、好きなものしか食べない、ダイエット中などのよる栄養障害、ストレスや不安、生活リズムの崩壊よる自律神経異常。副腎や女性ホルモン等の内分泌異常。冷えや血行不良による骨盤内血流低下などが考えられます。
日々の臨床では、強度の近視の方で生理異常を訴える方が多いので、その場合眼に関する治療を加えます。一般的には、仙骨部の経穴を使い仙骨神経部への刺激、陰部神経刺鍼などが有効です。頭部の経穴もよく使います。最後に冷えを取る目的で腰下肢への経穴を使います。お灸も有効ですが熱いのと一定期間、跡が残るので了解を得てから使いますがよく効きます。


「高血圧」VOL7
高血圧で悩んでいます・・

Q:数年前から高血圧で悩んでいます。鍼灸は効きますか?(40代男性)

A:高血圧は生活習慣病と呼ばれ併発する合併症により、統計上短命になるといわれていますがよく分かっていません。9割は原因不明で、加齢や遺伝、食事、ストレスなどが関与していて血管病変が起こり厄介です。鍼灸治療で「治す」というのは残念ながら結論を得ませんが、将来に備え血管運動神経、内分泌系、腎臓、肝臓機能の強化ストレスや情緒等の心理状態と関係が深いようなので全身的な調整がいいでしょう。但し単純なものから重篤なものまであり病像は難解ですので慎重な対応が必要です。
日々の臨床では、年齢、体質、食事、環境などにより様々な変調があるので、東洋医学的視点に立ち、全体像をとらえ治療計画を立て慎重に継続して治療に当たります。四肢の経穴と首の経穴がよく効きます。また、ご本人の心構えが大切で「食事・運動・休息」の「バランス・節度・リズム」が大事です。生かされている「命」長く健康で楽しく過ごしましょう。


「慢性頭痛」VOL8
慢性的な頭痛で悩んでいます・・

Q:慢性頭痛で悩んでいます。何とかなりませんか?(30代会社員)

A:頭痛といっても機能的な一時的なものから数時間、数日続くもの、脳腫瘍や脳血管疾患など器質的な疾患が隠れているもの。また、目、耳、鼻、歯科、頸椎などの疾患でも関連痛として生じている場合など多種多彩です。鍼灸院に来る患者様は、激痛というほどではないが転移加療してもよくならない。あるいは注射や内服薬をも効かない。慢性的で常にすっきりしない。などの症状ですが鍼灸治療は目や耳、鼻、咽頭などの頚から上の治療。また女性に多いことから腹部や腰、骨盤内の血流改善、足腰の冷えに対する治療。さらにメンタルケアなど全身的な慎重で多角的な治療が効くようです。後頸部のこりに由来した神経痛様の痛みや顎関節証に伴う痛み、頭部鬱血もかなり多いです。


「鍼灸って」VOL9
鍼灸ってどんな疾患に効くんですか・・

Q今まで愛読させていただきましたが、鍼灸ってどんな疾患にも効くんですか?(30代男性)

A:鍼灸の適応症といいますと、整形外科的な疾患と思われがちですがそうでもありません。頸椎や腰椎の疾患は当然ですが、循環器系、呼吸器系、内臓疾患、内分泌系など幅広く適応できます。特に婦人科系の不妊症や生理不順、生理痛、悪阻など得意分野です。漢方薬と似ていますが、速効性があるのが大きな特徴です。肩こりや腰痛、関節痛の中にも内科的な問題が隠れている場合もありますので、慎重な診断が必要でしょう。
当院の治療を簡単に紹介します。現代医学と東洋医学では病に対する病態生理が違います。病院では原因を捜し病名をつけ、患部を治療することが一般的です。東洋医学はマクロに「気・血・水」の流れ、体質、性格などを見て治療します。病気を見るのでなく病人を見るのです。病気をたたくのでなく、病気に打ち勝つ身体を取り戻すことを目的としています。